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高橋 成雄*; 櫻井 大督*; 長尾 郁弥; 操上 広志; 眞田 幸尚
シミュレーション, 42(2), p.68 - 75, 2023/06
本稿では、事故後行われてきた地上および空中放射線モニタリングを通じて蓄積されてきた、空間線量率の時空間分布に関するデータから、放射性物質の沈着過程の理解や、除染作業による線量率低減度の評価に関する科学的知見を、視覚解析を通じて得ることができた事例を紹介する。また関連して、今後の原発事故からの復興の施策立案の一助となる重要な知見を効果的に得るための、今後の取り組みについての展望を図る。
島田 太郎; 行川 正和*; 三輪 一爾; 武田 聖司
Proceedings of Waste Management Symposia 2023 (WM2023) (Internet), 8 Pages, 2023/02
廃止措置段階に発生する可能性のある事故においては、解体作業中にフィルタ等へ蓄積した粉じんが一挙に環境に放出され地表に沈着した放射性粉じんが降雨に伴う地表流とともに傾斜の下流へ移動し、窪地に蓄積することも想定される。降雨や地形、表面の被覆状態などの条件によって変動する核種の移動量と公衆の被ばく線量を評価するコードの開発を進めている。その評価にあたっては必要な評価パラメータの設定方法を整備する必要がある。そこで、地表面に沈着した粉じんの傾斜面上の流下を模擬した室内降雨試験を実施して、核種移動量評価に必要なパラメータ値を廃止措置段階で想定される劣化状態を含めて取得し、その設定方法を検討した。被覆表面と表面を流れる水との抵抗量を示す等価粗度係数が既知の平滑なアスファルトをもとに得られた劣化アスファルトと平滑なコンクリートの等価粗度係数は文献で得られた値の範囲に収まった。しかし劣化コンクリートの等価粗度係数は、想定と異なり平滑なアスファルトよりもやや低い値となった。これは本試験では地表流による浮遊と雨滴衝撃による浮遊を同時に評価しているため、雨滴衝撃による浮遊のばらつきの影響によるものと考えられる。また、3Dスキャナで各表面の凹凸を点群として取得し表面粗さを評価したところ、等価粗度係数との相関が示唆され、実際の適用の際に利用できる可能性が示された。
森口 祐一*; 佐藤 陽祐*; 森野 悠*; 五藤 大輔*; 関山 剛*; 寺田 宏明; 滝川 雅之*; 鶴田 治雄*; 山澤 弘実*
KEK Proceedings 2021-2, p.21 - 27, 2021/12
福島第一原子力発電所事故時の呼吸由来の内部被ばく線量評価において、I-131等の短寿命核種は重要であるが、被ばく線量や大気中濃度の実測値が少ない。そのため、他の核種の環境中濃度の実測値、大気移流拡散沈着モデル(ATDM)による推計値、空間線量率の測定値等に基づく総合解析が必要である。本研究では、Cs-137を対象として、これまでに構築してきた大気中濃度と地表沈着量に基づく空間線量率推計手法をATDM相互比較に供された国内外の多数のモデルに適用し、これまで検証が困難であった福島県内外の地域を中心に選定した計64地点を対象にATDMの再現性の検証を行った。その結果、初期被ばくの評価上特に重要な3月12日の原発から北方向へ輸送されたプルームについて、これまで対象としていた原発から25km地点より近傍の約10km地点における線量率のピーク値やそのタイミングを比較的良好に再現するATDMが複数存在することが分かった。また、実測値がなくこれまで検証が困難であった北関東地域でのプルームの輸送状況の再現性の検証に見通しが得られた。
廣内 淳; 高原 省五; 駒ヶ峯 弘志*; 加藤 伸之*; 松井 康人*; 米田 稔*
Journal of Radiological Protection, 41(3), p.S139 - S149, 2021/09
被引用回数:2 パーセンタイル:31.78(Environmental Sciences)屋内退避は原子力事故時の放射線被ばくに対する防護対策の一つである。屋内退避の効果は低減係数によって表される。本研究では、低減係数を屋内外の積算放射能濃度比または線量比で定義した。屋内濃度は主に空気交換率,浸透率及び室内沈着率によって支配される。浸透率と室内沈着率は表面材質と隙間材質に依存する。Iと粒子のこれらのパラメータについて実験的に調査した。実験は2軒のアパート及び3軒の戸建て住宅に加えて、実験室のチャンバーで実施した。浸透率は、0.31mの粒子で0.31、Iで0.150.7であり、いずれも空気交換率に依存していた。室内沈着率は、0.31mの粒子で0.0070.2h、Iで0.21.5hであり、いずれも床面材質に依存していた。
斎藤 公明
Isotope News, (773), p.3 - 6, 2021/02
福島第一原子力発電所事故から10年が経過するのを契機として企画された特集記事の一環として、陸域における環境影響に関する解説記事を執筆した。この中で、事故後に実施された大規模環境モニタリングの概要、空間線量率の減少傾向とその原因、空間線量率の減少を加速させる要因、土壌沈着量と深度分布の経時変化の特徴、大規模モニタリング結果の応用解析例、今後の課題について簡潔に紹介した。
Ji, Y.-Y.*; 越智 康太郎; Hong, S. B.*; 中間 茂雄; 眞田 幸尚; 三上 智
Radiation Physics and Chemistry, 179, p.109205_1 - 109205_11, 2021/02
被引用回数:6 パーセンタイル:72.21(Chemistry, Physical)福島第一原子力発電所周辺の異なる線量レベルのエリアで、様々なサーベイプラットフォームを用いin-situ 線スペクトロメトリーを実施した。地表における放射性セシウム沈着量を、高純度Ge半導体検出器とLaBr(Ce)検出器を用いて評価するために、福島第一原子力発電所周辺の6か所のサイト(うち2つは帰還困難区域)が選択された。2018年10月に行ったin-situ測定の結果、Csの沈着量は6つのサイトで30-3000kBq mの範囲にあった。また、広範囲の代表的な深度分布を直接的に計算するin-situ測定手法を導入し、その結果が同じサイトで採取された土壌サンプルの結果をよく表現していることが分かった。
久保田 智大; 黒田 久雄*; 渡邊 未来*; 高橋 晃子*; 中里 亮治*; 樽井 美香*; 松本 俊一*; 中川 圭太*; 沼田 康子*; 大内 孝雄*; et al.
Atmospheric Environment, 243, p.117856_1 - 117856_9, 2020/12
被引用回数:3 パーセンタイル:15.82(Environmental Sciences)大気アンモニア(NH)の乾性沈着は水圏生態系への窒素負荷経路の1つである。アジア諸国におけるNHの最大の排出源の一つである農業・畜産は、NH濃度の空間的及び季節的変動を引き起こし、乾性及び湿性沈着により湖沼流域へ影響を与えることが知られている。しかし、観測ネットワークの不足から、流域スケールでのNH濃度の空間分布はよく知られていない。本稿では、農業・畜産が盛んな流域(霞ヶ浦流域)でのNH濃度の空間的及び季節的変動の支配的要因を明らかにすることを目的とした。観測は2018年10月10日から2020年1月14日まで、合計36地点で行った。観測期間中の平均NH濃度は、農用地,湖,住宅地,森林の順に高かった。畜舎近傍で観測されたNH濃度は夏季より冬季の方が高く、気温に依存する揮発プロセスに基づくNH排出量の季節変化と異なった。農用地や湖のNH濃度と気象要素との比較から、排出源からのNHの移流の季節変化の重要性が示唆された。湖上のNHの乾性沈着量を推定したところ、全窒素の湿性沈着量を上回る可能性がある。湖への乾性沈着は植物プランクトンの増殖プロセスに関連することが知られており、水圏生態系の管理を行う上でNHの移流を考慮するべきである。
斎藤 公明
東京電力福島第一原子力発電所事故による環境汚染の研究調査の進展と課題(インターネット), p.8 - 10, 2020/07
福島第一原子力発電所事故3ヶ月後に開始され長期にわたって継続された大規模環境モニタリングの結果に基づき、地表面沈着量と空間線量率の地理的分布の特徴、検出された放射性核種と線量への寄与割合、放射性セシウムの総沈着量と土地利用別の沈着量比率等の情報をまとめた。さらに、2016年における生活圏での空間線量率は物理減衰により予想される線量率に比べファクター23小さいこと、この原因として、放射性セシウムの地中への浸透、水平方向への移行,除染が考えられること、また各原因の平均的な寄与割合について記載した。
斎藤 公明
Environmental Contamination from the Fukushima Nuclear Disaster; Dispersion, Monitoring, Mitigation and Lessons Learned, p.38 - 43, 2019/09
被引用回数:0原子力機構が中心になり福島事故後に国からの委託により継続して実施してきた大規模環境調査の概要、その結果明らかになった事故後5年間の空間線量率及び放射性セシウム土壌沈着量の変化、測定データの統計処理結果をもとに開発した空間線量率予測モデル及び取得データの公表に関して簡潔にまとめた記事である。
太田 雅和; 田中 拓*
Journal of Environmental Radioactivity, 201, p.5 - 18, 2019/05
被引用回数:4 パーセンタイル:16.8(Environmental Sciences)放射性廃棄物地下処分施設から漏洩するCHは、土壌中で微生物による酸化を受けてCOとなる。既存のC移行モデルでは、土壌中COの植生への移行が主に葉面吸収によって起こることが仮定されている。一方、COの経根吸収の影響は把握されていない。本研究は、COの経根吸収が植生へのC移行に及ぼす影響を評価するため、土壌中のCHの輸送と酸化をモデル化し、これを陸面CO移行モデル(SOLVEG-II)に組み込んだ。モデルによる土壌中CH移行の計算性能は、深部土壌へのCH注入の野外実験データを用いて検証した。次に、モデルを地下水面(深度1m)からのCHの連続放出時の陸面C移行に適用した。土壌中で根が浅く分布(深度11cm)する状況では、植生へのC移行ではCOの葉面吸収の影響が支配的となり、葉へのC蓄積の80%に寄与した。一方、根が地下水面近くまで分布(深度97cm)する状況では、葉へのC蓄積の半分以上(63%)が経根吸収によってもたらされた。更に、メタン酸化が土壌深部(深度20cmあるいは80cmまで分布)で起きた場合には、葉に蓄積したCの全量が経根吸収によってもたらされた。これらの結果から、根が地下水面近くまで分布し、CHの酸化が土壌深部で起きる場合は、COの経根吸収が植生へのC移行において支配的となることが明らかとなった。
斎藤 公明
原子力のいまと明日, p.148 - 151, 2019/03
日本原子力学会から発刊の単行本「原子力のいまと明日」の執筆を一部担当し、福島第一原子力発電所事故により大気中に放出された放射性核種による環境汚染の特徴ならびに空間線量率の経時変化の特徴について、一般読者に分かるように平易な表現を用いてまとめた。特に、空間線量率が物理半減期による減衰に比べて顕著に速く減少してきた事実とその要因に関して掘り下げた説明を行った。
吉村 和也
KEK Proceedings 2018-7, p.36 - 40, 2018/11
市街環境におけるCs-137の分布状況は、被ばく線量予測や除染計画の策定において重要な情報である。本研究では草地などの浸透面のほか、市街環境に固有の被覆要素である屋根や壁面、舗装面について、Cs-137沈着量の経時変化を評価した。併せて沈着量の経時変化から、市街環境におけるCs-137の流出率について地上計測結果を基に推定した結果、市街環境では森林など他の土地利用よりも速やかに流出していることが示唆された。
眞田 幸尚; 堅田 元喜*; 兼保 直樹*
Isotope News, (759), p.18 - 21, 2018/10
福島第一原子力発電所事故直後から継続的に行われてきた、東日本における有人ヘリを用いたモニタリングのデータを活用し、地上からの観測が難しい山岳地域の高線量地帯での標高と空間線量率との関係をWSPEEDI-II(大気拡散シミュレーション)による再現計算結果と比較しながら、地形と放射性セシウム沈着過程の関係について解説する。
日高 昭秀
エネルギーレビュー, 35(9), p.20 - 24, 2015/09
原子炉が運転されると、核燃料物質であるウランやプルトニウムなどが核分裂して核分裂生成物が燃料棒中に蓄積される。炉心が溶融するようなシビアアクシデント時には、核分裂生成物を含む放射性物質が燃料から多量に放出され、原子炉冷却系内や格納容器内を移行し、格納容器が損傷または隔離機能が損なわれた場合には大気中へ放出される。放射性物質は、その間、壁などへの凝縮、重力沈降のような自然現象または格納容器スプレイのような工学的安全設備によって除去される。以上のような様々な過程を経て、環境中に放出される放射性物質の種類と量、放出のタイミングをソースタームと呼ぶ。放射性物質の移行・沈着挙動は、機構論的には、ガス状の放射性物質の付着/蒸発、エアロゾル状の放射性物質の沈着、エアロゾルの成長、工学的安全設備による放射性物質の除去に分類できる。本報では、シビアアクシデント時の放射性物質の移行・沈着挙動について概説する。
斎藤 公明; 恩田 裕一*
Journal of Environmental Radioactivity, 139, p.240 - 249, 2015/01
被引用回数:52 パーセンタイル:92.66(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所事故の後、国からの委託を受け原子力機構は多くの機関と協力しながらマップ事業を実施してきた。この中で、広域にわたる大規模放射線モニタリングと放射線量率等のマップ作成、環境中における放射線セシウムの移行調査とモデル化等を行なってきた。平成24年度までにマップ事業の中で得られた成果を17編の論文としてまとめ、学術雑誌Journal of Environmental Radioactivityの特集号として発刊する。本稿では、この特集号の序論として、マップ事業の全体計画、スケジュール、各調査項目の位置付け及び主要な成果について紹介する。
日高 昭秀*; 工藤 保; 木田 美津子; 更田 豊志
JAERI-Research 2005-001, 67 Pages, 2005/02
シビアアクシデント時における燃料からの放射性物質の放出を調べるVEGA計画では、昇温中のFPの放出及び移行沈着を把握するため、それらを機構論的モデルに基づいて評価できるVICTORIA2.0コードを用いて実験解析を実施することにしている。本報では、同コードのVEGA実験解析への適用性を調べるため、試験後分析を全て終了しているVEGA-1及び-3実験について、Csを対象とした解析結果について記述する。VEGA-1実験のCs放出履歴から求めた結晶粒内拡散に関する相関式は、最高温度の異なるVEGA-3実験のCs放出割合を適切に再現した。この相関式をVICTORIA2.0コードに適用して実験装置配管内へのCs沈着分布を評価したところ、沈着量及びフィルタ捕集量を過少評価した。その原因は、同コードはFPを起源とするエアロゾルのみしか考慮しておらず、エアロゾル化を過小評価するためであった。そこで、FP以外の微粒子を凝縮核とした不均質核形成によるエアロゾル化と粒成長を考慮することにより、同コードはVEGA実験におけるCs沈着分布を適切に予測できることを示した。
天野 光; 小嵐 淳*; 駒 知孝*; 安藤 麻里子; 飯田 孝夫*
JAERI-Conf 2003-010, p.221 - 225, 2003/09
大気中に放出されるH-3とC-14に関して、フラックスと沈着速度を解析する新しい方法を開発した。最初に、大気中に放出されるH-3とC-14の存在形態を弁別できるシステムを開発した。このシステムは、トリチウムについて水蒸気状(HTO),ガス状(HT),メタン形(CHT)を、C-14について二酸化炭素状(CO)とメタン状(CH)を同時に弁別できる。次に、通気法チェンバーを用いたフラックスと沈着速度を測定できる手法を開発した。これらの方法を実際に適用しHTとCOにつきフラックスと沈着速度を求めその有用性を確認した。
小嵐 淳; 天野 光; 安藤 麻里子; 飯田 孝夫*; 駒 知孝*
Radiation Protection Dosimetry, 93(3), p.237 - 243, 2001/00
被引用回数:8 パーセンタイル:52.36(Environmental Sciences)土壌へのHT沈着速度を測定するためだけでなく、どの環境因子が土壌へのHT拡散及び土壌中での微生物活動によるHTOへの化学形転換の2つの沈着過程に影響を及ぼすかを調査するために新しい手法を開発した。チェンバーと2台のトリチウムサンプラーを用いる本手法によって、大規模な野外実験やトリチウムソースを用いることなしに野外環境でHT沈着速度を測定することができる。本手法で評価された原研・東海研におけるHTの沈着速度は1.2610~3.7310m.sの範囲であった。HT沈着速度はおもに土壌の含水率及び気相率に依存してきた。含水率の増加に伴うHT沈着速度の増大から、本サイトの条件下では物理的なガス拡散よりも微生物による化学形転換がHT沈着速度に支配的に影響を及ぼしていることが示された。HT沈着速度と大気温度、大気湿度、土壌温度の間には明確な関連性は見いだせなかった。微生物活動に強く影響を及ぼすであろう土壌温度について、HT沈着速度を制御する要因としての重要性は副次的なものであった。
日高 昭秀; 中村 武彦; 工藤 保; 林田 烈*; 中村 仁一; 大友 隆; 上塚 寛
JAERI-Conf 2000-015, p.193 - 200, 2000/11
日本原子力研究所では、シビアアクシデント条件下の照射済燃料からの放射性物質の放出挙動を調べるため、VEGA計画を進めている。同計画では、これまでの類似実験では得られていなかった、3000の高温条件及び加圧雰囲気(1.0MPa)下における照射済燃料からの中・難揮発性FPや超ウラン元素の放出挙動を調べる予定である。特に、雰囲気圧力の影響を調べる試験は世界で初めてであり、本試験の最大の特徴と言える。第1回目のVEGA-1実験の前に、非放射性で揮発性のCsI粉末を装置内で蒸発させ、装置の基本性能を確認するための実験を行った。その結果、エアロゾルフィルターの捕集効率は約98%であること、設計通りにフィルターの下流側に到達するCsIエアロゾル量は微量であること、しかしながら、わずかに形成されたIガスはフィルターを通過し、コンデンサー前の低温配管へ凝縮することを明らかにした。
日高 昭秀
RIST News, (30), p.2 - 14, 2000/10
ART Mod2コードは、シビアアクシデント時の原子炉冷却系及び格納容器内の放射性物質の移行・沈着挙動を解析するため、リスク評価解析用として原研のソースターム解析コードTHALES-2の1モジュールとして開発されている。特徴としては、比較的短い計算時間で気体状及びエアロゾル状放射性物質の自然沈着過程や工学的安全施設による除去過程、及び主要な化学反応を機構論的に扱えること、改良したモデルがソースタームに与える影響を容易に確認できることなどが挙げられる。ART Mod2の前身であるARTコードのマニュアルが1988年に公刊されて以来、数多くのモデルが改良・追加され、種々の実験解析によるコード検証が進んだことから、1998年には最新版であるART Mod2コードがOECD/NEAデータバンクに登録された。本稿では、ART Mod2コードの開発の経緯、解析モデルの概要、コード検証解析例及び今後の課題等について紹介する。